2022.10.21

ポケモンスカラシップ2021年度奨学生の修了制作発表

ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでは、6月25日から6月30日の間、修了制作展「RCA2022」が開催されました。
ポケモンスカラシップ2021年度奨学生の2名もその研究成果を発表しました。

ミンウク・パン / Innovation Design Engineering

私の作品『テクスチャー・パレット』は、VRコンテンツの物理的な体験を作り出すための質感・感触をシミュレーションします。ハードウェアとソフトウェアの進化により、画面を超えた触覚的なインタラクションを提供します。

現在のVRとは「見る」と「聞く」に強くフォーカスされており、他の人間の感覚的な体験がおろそかになっています。私たちの目や耳は活動していますが、重要な部分である触覚は切り離されたままなのです。

この『テクスチャーパレット』は、人間の知覚に基づいた質感・感触を人工的に生成します。ユーザーは、VRコンテンツ内にあるデジタルオブジェクトの粗さ、硬さ、温度、模様などの質感を感じることができます。VRインタラクションの次のパラダイムシフトであり、ユーザーは没入感のあるリアルなVR体験とインタラクションできるようになるのです。

https://2022.rca.ac.uk/students/minwook-paeng

フィービー・ヘイズ / Visual Communication

私の活動は、常に変化し続ける現在において、カメラと風景、個人と政治の関係を批判的に(再)マッピングすることです。風景を通じた代替的な経験と理解を、断層、遅滞、情報収集の詩才に関連して方法論的に探求したいという願望に基づくものです。私は、イメージや場所がどのようにめぐりあい、解釈され、誤解されるかを考え、その抽象性を受け入れる様にしています。

高高度からの写真とフィルムによる探求を通して、いたるところに存在する監視資本主義に代わって、人間の視点からどのように記録の方法を考え出すことができるかを問うています。空飛ぶ衛星や気球にカメラを取り付けることで、予測が不可能な風景にレスポンスしたアイデアを発見できるのです。

私の最新のプロジェクト『コミュニティ・サテライト』は、距離と時間における視点の移動を記録することで、5年、10年、20年後の地理的な変化を見るための持続した写真プロジェクトです。

https://2022.rca.ac.uk/students/phoebe-catherine-hayes